通常は、仏間の中にお仏壇を納めますが、造り込み仏壇(造作仏壇)は仏間自体をお仏壇の内陣と考えて、仏間やクローゼット、押入れの内部を造作いたします。
当初は、「造り込み仏壇」というネーミングではなく、「仕込み仏壇」や「造り付け仏壇」とも呼んでいました。
徐々にクチコミで広がり、施工例も数を重ね、「造り込み仏壇」というネーミングが定着しました。
「造り込み仏壇」の一番のメリットは、お客さまのご要望に合わせて、柱や宮殿を設置することも可能です。大きな位牌をお持ちの方はスペースを優先して設計し、お客様にご納得いただいてから施工にはいるということではないでしょうか。
そうすることによって、今までクローゼットとしてお使いいただいていた収納スペースや押入れが、簡単な造作で、ご先祖様との語らいのスペースに生まれ変わります。
雪解け間近の早春にひとりのおばあさまがご来店されました。お話をおうかがいすると、
「山奥にひとりでおると何かと不便なこともあるんやさな。息子たちもいろいろ心配してくれて、息子夫婦が一緒に住もうと言ってくれるんやけど、ひとつ心配なことがあって…。
それが、お仏壇のことなんやさ。私が嫁に来た時からあるお仏壇を私がまたじ(処分)しなくてはならないというのは心苦しくて…。
息子は新しく家を建てたんやけど、このお仏壇が入るほど大きな仏間はない。どうしたものかと、ここ2,3年考えとるんやさ。」
というお話でした。一度は新しいお仏壇にしようとご来店されたおばあさまでしたが、おばあさまより永くご家族との思い出を見守ってきたお仏壇を買い替えることに躊躇してみえました。
高山にお住まいのご長男様のご自宅の仏間には、田舎のお仏壇は大きくてギリギリの寸法でした。息子さんは、仏間に入るサイズの新しいお仏壇を購入したいとお考えでした。
おばあさまと息子さんの想いを聞かせていただき、担当者は考えました。
・・・双方の想いを叶えるいい方法はないだろうか・・・
そして、会社に戻り、工場長(現・社長)に相談したところ、「造り込み仏壇を提案してはどうか?」ということになりました。
今回は、ご先祖様から代々続いてお参りされている特徴的な部分を修復して、息子さんのお宅に合わせて、製作させていただく提案をしたところ、おばあさまにも息子様にも喜んでいただけ、契約の運びとなりました。
今年の冬から一緒にお住まいになられるということで、田舎のお仏壇をお預かりにきました。
お仏壇の分解が始まりました。
お仏壇は、修復できるように作られているので、仕組みさえわかっていれば簡単に分解することができます。
この屋根は、分解したあと、修復後(仏壇洗濯)、造り込み仏壇で使用します。
こちらは、先ほどの外した屋根です。
永い間、お参りされてみえたホコリを洗い流しました。
この後、木地の傷んでいるところは修復し、研磨し、塗り直して、金箔を押します。
宮殿の柱は、傷みが激しかったので、作り替えました。
収納スペースがあると、何かと便利です。
お使いいただきやすいサイズとデザインを考慮して、下台を設計・新規製作しました。
仕上がった木地は、各部品ごとに下地処理をして塗り上げ、金箔を押していきます。
次に金具を打ちます。
金具は以前使用していたものを使います。そのため、外した後に形を整え、金メッキし直して使います。
まずは、工房内で、仮組み立てをします。
細部をチェックして、再度分解して、お客様のお宅へ運びます。
さぁ、いよいよお客様のお宅へ搬入です。
おっと!!!
その前にお客様の仏間のご紹介をしなくてはいけませんね。
こちらの収納スペースとしてお使いになっておられたところへ造り込み仏壇を造作させていただきます。
まずは、お仏壇らしい祈りのスペースに変身させます。
自社で仕上げた部材でお客様のお宅で組み立てるだけです。
お客様が以前からお参りしておられた修復済みの宮殿を据え付けます。
壁と宮殿の隙間は2mm!!
職人技を感じます!
無事、据え付けることができました。
・・・でもこれで完成ではないんです!
千本格子の欄間が入りました。
千本格子のマス目は魔物を見張ると言われ、魔除けの意味があります。
また、細かく数が多いマス目は、子孫繁栄の思いも込められているんです。
ジャジャジャジャーーーン!
【完成】
上部の空間を埋めるため、御簾(すだれ)をおかけしました。
宗派は、浄土真宗大谷派です。宗派に沿った飾りつけをさせていただきました。
【おまけ】
こちらのお部屋を客間としても、お使い予定だということで、ロールスクリーンをおつけしました。
ロールスクリーンのコードを引くと
祈りのスペースに早変わりします!
(Vサインは、弊社の社長かつ
設計者・製作者の奥原茂です)
造り込み仏壇のご相談・お見積りは、無料ですので、
お気軽にお問い合わせください。
気になるお値段は下記に!
仏間がそのままお仏壇の須弥壇になるので、地震の時の転倒の不安も少ないビルトインタイプに施工いたします。
【宗派】浄土真宗大谷派
ご自宅のリフォームに合わせて、仏間にお仏壇を製作させていただきました。
須弥壇の高さはあえて、高めに設定し、お給仕しやすくしました。シンプルさが素敵です。
仏間の設計は、当社の2級建築士・奥原 茂にお任せください。
お客様からの小さなご要望までおうかがいし、カタチにできるようにアドバイスさせていただいております。
向かって左手には、神棚スペース・・・
右手には、仏壇スペース・・・
”祈りのお部屋”になりました。
【宗派】本願寺派
以前は、クローゼットだったスペースを造り込み仏壇に変更しました。
お寺さながらの宮殿の設置を希望されましたので、スペースに合う宮殿の製作もさせていただきました。
宮殿なし | 宮殿あり | |
仏間3尺 | 30万円~ | 130万円~ |
仏間4尺 | 50万円~ | 150万円~ |
仏間6尺~ | 80万円~ | 180万円~ |
上記には、設計料・材料費・施工費が含まれます。
別途、出張費・交通費をご負担いただく場合もございます。
お客様のご予算に応じて、ご提案させていただいております。
広々とした空間のお仏壇は、造り込み仏壇(造作仏壇)のメリットです。
その空間にピッタリのモノをお造りします。
また古いお仏壇をお持ちのお客様には、宮殿や蒔絵などを活かしたリメイクもできますので、まずはお問い合わせください。
野畑 雅義(工場長)
TEL 0577-33-6686