「 洗濯? 」と、思われそうですが、分解して薬品で洗って綺麗にするからなのです。
近年では分解した際に塗替えや金箔の張替え、そして金具の修理や金メッキ等を施して、新品と同様に仕上げる完全修復修理をするようになりました。
修復前 修復後
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祖父が仏壇業を創めた時に、家庭用の洗濯桶と仏壇用の洗濯桶とを使い分けるために書かれていたものです。洗うのだから一緒に使うというものではありません。『仏様に関わるものだから』と言っていました。長い間、壊れた状態で倉庫の奥にあり平成年の店舗移転の時に見つかりました。
修復をする部分や取替えをする部分をチェックし、職人同士で相談をして最良の方法を考えます。
「確認事項ですが・・・・」
「ちょっと引き出しが硬いな~」
お客様のご希望の仕上方法を担当者が説明しながら、各職人たちへ確認の打合せを行います。
「ここは金箔を貼って欲しい」
「そこは現状通りですね」
「ここが取れて無くなっている」
「2か所ですね」
「ここは金箔仕上げ」
「了解」
会話と同時に職人はメモを取る
この会議が勘違いや無駄なミスを防ぎます
そして納期に遅れることなく完成できます
細かく写真取りをした仕様書は一括管理をされ、各部署で確認をしながら作業に取り掛かります。
お預かりした仏具も写真で記録。 塗り部屋の壁にある仕様書の書類
雨戸や障子、天井、欄間、背板、宮殿、柱、金具などに部品ごとに解体します。こうすることによって、細かいところまで洗浄・修理ができるようになります。
小さな頃、時計を分解して怒られた記憶が・・・。分解するのが仕事なんて、少年の心をくすぐります。また分解途中に垣間見られる時代や歴史。
「モノづくり むずかしいけど楽しいな」
と感じる作業です。
金具外しとは、その名のとおり、お仏壇に取りつけられた金具を外すことです。
金具の数はお仏壇によってちがいます。ちなみに当社のオーダーメイド金仏壇『響』20号の小さ目のお仏壇でも448枚にもなります。
この取り外した金具は、傷みがあれば直してから金メッキし直すので、取り外し作業も慎重に行わなければなりません。歴史のあるお仏壇では釘が錆びていたりしてなかなか抜けなかったりします。時には手彫金具に見惚れてしまうこともあるんですよ。
取り外した金具は、釘による凹みを直す裏打ちを一枚一枚にします。その後、薬品で汚れを落とし、下地処理をして金メッキをします。
綺麗に汚れを落とすために薬品は温めたものを使います。
刷毛や布を使って汚れを落とし、同時に薬品も水で洗い流します。
小さなお仏壇から、こんな大きなお仏壇まで様々です。
細かい部分は刷毛などで浮いた汚れを取り除きます。
これは傷みではなく製造当初からの欠陥といえるでしょう。軸棒の穴の位置が悪く、扉の開閉に無理が生じていたので4mm移動し、新たに穴を設けました。
横扉の軸ですが、これが少しズレるだけで正面の扉にかなりの影響を与えます。特徴的な飛騨の三方開きは、修復にも知識と経験が必要となります。
今回の修復において、お客様の悩みが解消され、たいへん喜んでいただけました。
海に近い貯木場で保管された材木は、海水が幾分染み込みます。その木に金具を打つと、長い年月のうちに釘を通して錆が出てしまいます。
その木地を全て取り換えると大変な作業となり、お客様の負担も増えてしまします。そこで釘の位置に大きめの穴を空け、新たな木を埋め込みます。
これは技術というより、「お客様のため」にと、行う作業と考えています。
表面の古い塗りを取りながら、木地のムラも削り取ります。
彫刻などは細かいペーパーを使い金を研ぎ落します。
金箔が残ったままでは、後々に塗りが浮き上がることがあります。
傷や釘穴、ひび割れ修復した所や隙間をパテで埋めていきます。
また、粗研ぎ後に判明する木痩せ部分は幅の広いヘラを使います。
いずれも1回の作業ではなかなか埋まりません。
中塗りや研ぎは、上塗りにとって重要な作業で仕上げを左右します。
春慶部分は木目を消さないように、箔下小物は刷毛で丁寧に行います。
上塗りは手の汗でもムラになるので、中研ぎには神経を使います。
上塗り作業は、まず部屋の水拭き掃除から始めます。
それから刷毛の掃除です、目に見えないようなゴミを取り除きます。
ゴミの無い綺麗な漆にするため、吉野紙を使い絞りながら濾します。
衣類の埃を払ってようやく上塗りにかかれます。
竹のピンセットのようなもので優しく金箔を乗せるように貼ります。
左手は紙の上からそっと押さえます。その後真綿で優しく押さえます。
金箔を貼ることを「箔押し」というのは、そこからきていると思われます。
細かいところの金箔押しは、適正なサイズに切って貼ります。
左手には楊枝のようなものを使い、細部まで金箔を押しこみます。
最後に筆や綿を使い押さえ、撫でるように仕上げていきます。
各部品ごとに塗り・金箔・金具と仕上げ、いよいよ組み立て作業に入ります。
最初に柱や壁を立てていきます。
下から順番に、下段板、段周り、須彌壇、屋根と重ねながら組み立てます。
大きな仏壇では3人掛かりとなることもあります。
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